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特別養護老人ホーム/別れ②

(10年を振り返って…)
 長いような、短いような…10年。
私らなごうおるけーえらそうにするんじゃないが、つんつんする人もおるけどやっぱり楽しみよ。
私らお婆ちゃんじゃけー、ああしなさい、こうしなさいと言ってもらったり、知っとる顔を見られることが楽しみ。
…これからの人生は、息子と二人きりじゃけー、寄り添って我がまま言わんようにして仲良く暮らしていくのが楽しみ。
今は孫が来てくれて「おばあちゃん」と声をかけてくれるのが嬉しい。
まぁ、これからも宜しくお願いします。(悠悠タウン江波十周年記念誌「10年のあゆみ」より)
 

2009年6月に入居されたYさんが11月7日に90年の人生に幕を下ろされた。
入居され1年半であったが、悠悠タウン江波が開設し間もない頃からデイサービスを利用されていたので、
実際は15年間悠悠タウンと関わられながら生活されていたことになる。

上記の言葉は「10年のあゆみ」の中でYさん自身が述べられていた。

 9月28日に体調を悪くされ入院し、1ヵ月後に悠悠に戻られた際には素敵な笑顔を見せて下さったYさん。
しかし、退院されちょうど1週間経った11月1日の朝、意識消失が見られ再度入院となり、病院で最期を迎えられた。

ユーモアに溢れいつも明るく元気に過ごされていたYさんですが、時折漏らされる
「役に立たん。何もわからんおばかさん」という言葉が印象深く残っています。

Yさんがいなくなった今、急に明かり失ったような気がする。
関わりを通じ私たちに介護の仕事の「楽しさ」を与えて下さっていた方であった。


心よりご冥福を祈ります。ありがとうございました。